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あなたはビルゲイツの試験に受かるか?
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その13:全体構図をつかむことの重要性
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 前回の設問は、どこまでしっかりと二進法というコンピューターの計算原理を理解しているか、それを見ようとした背景がありましたが、今回の設問ではどでしょうか。

 まずその前に、前回のマイナス二進法の回答を見て「?」と疑問に思った方はいませんでしたか? 実はちょっと意図的に皆さんの思考を試してみた部分があります。わかりますか? それは文章の中で「しかしこのあと13までは数えられますが、14になるとお手上げです」と解説しているところです。
 少しでもロジカルな考え方をする習慣があれば、この解説に疑問を感じたことと思います。「どうして13までは数えられるのに、14でお手上げになるのだろう?」と。
 少し乱暴な見方かもしれませんが、十進法では、0から9までの数字を繰り返し加算してすべての数を表現していることをベースにして考えれば、少なくともマイナス二進法で10までかぞえられるなら、同様にそれらの繰り返し加算ですべての数をかぞえられるのが普通ではないか、という発想が出てきても不思議ではないからです。
 またそのような発想でなくとも、数の世界はきれいな順序の上に成り立っていますので、いかにも14という数は中途半端だという考え方でもいいです。いずれにしろロジカルな思考が身についていれば、その解説に「へんだぞ」と気付くはずです。
 まさしくその通り、マイナス二進法でもすべての数をかぞえることができます。十進法で14以降の数をマイナス二進法で表現すれば、10010、10011、10000、10001、10110、10111、10100、10101、1101010、1101011、110100・・・のように、どれだけでも数えていくことができます。
 そこでマイナス二進法ですべての数をかぞえられるなら、今度はマイナスN進法だってできるはずだとの新たな発想・思考につながります。実際、試しにマイナス三進法をやってみてください。その是非は当欄の末尾で。

 では、XX進法という設問のあとにくる「べき乗」の問題として関連する、今回の設問の回答とその設問背景に入ります。


問題 設問13 定数が26個あって、それぞれAからZとする。A=1とし、他の定数の値はアルファベットの文字の順番の数を、1つ前の定数乗したものとする。つまり、B(2番目の文字)=2A=21=2、C=3B=32=9のように続くものとして、(X-A) x (X-B) x (X-C)・・・(X-Y) x (X-Z)の正確な値を求めよ。

 赤・白・混合ラベル箱の設問8やトムとジムの2人で21ドル持っている設問10と同様、この設問13でも応募者は3つのタイプ、簡単だとするタイプ1、簡単なはずがない、何か自分の気が付かないところで正解があるのかもしれないと考え込むタイプ2、この設問は解けないとするタイプ3、とに分かれたようです。

 まず最初に出てくるXの値はアルファベットの24番目の文字です。だから、前の定数Wの24乗、WはVの23乗、VはUの22乗、TはSの・・・とやっていきますと、結局Xは24の(23の(22の(21の・・・(3の(2の1乗)乗)・・・乗)乗)乗)乗となり、のような指数が23個入れ子になっている形になります。
 そこでまず、24の23乗を考えてみると、とんでもない数字になりそうだということがわかります。

 皆さんをはじめ、インターネット活用者の間では検索サイトのgoogle、つまりグーグルという名はたいへんよく知られていると思います。しかしこのサイトが世に出るまでは英語圏の人々にとっても聞き慣れない言葉でした。オートバイ乗りが掛けるあのメガネ、ゴーグル(goggles)、つまり「ぎょろぎょろ見る」という意味のgoggleをもじって付けたと考える人も多かったようです。
 実際は、検索技術を開発したスタンフォード大学の学生2人、セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジーが、世界中にある膨大な量の情報を取り扱い組織化整理して、それを世界の人々に示すという「使命」を背景にして付けたもので、もとはといえば、膨大な量そのものにつけられた名前Googolから取っています。
 このGoogolというのは、米国の数学者F. Kasner(1878-1955)が子供の言葉から思いついた造語で、10100 つまり1のあとに0が100個つづく数につけられた名前です。 
 さらにそれにplexを付けたGoogolplexと呼ばれる数は、(10100100という1の後に0がGoogol個続く数を指し、これは原子であろうと、それよりさらに小さい素粒子であろうと、この宇宙にあるそれらの総数よりもはるかにはるかに大きな数です。
 したがってこのGoogolもGoogolplexも、とんでもなく大きなばかげた数としての例にあげられるだけで、それ以外に実用上使われることはありません。

 また、万、億、兆、京、垓・・・という数の単位としての漢字表現はサンスクリット語からきていますが、その最後は無量大数という表現で終わっています。その無量大数ですら10の68乗でしかありません。
 しかしこの(10100100というGoogolplexですら、ここに定義されているXに比べたら、取るにたらないほど小さなものなのです。インテルにしても、Xの値を完全に計算できるほどのマイクロプロセッサーは、まだ作っていませんし、またコンピューターのCPUの速さが18ヶ月で2倍になるというムーアの法則がどこまでも成り立つとして、たとえ宇宙全体をそれら超高速のCPUで埋め尽くしたとしても、Xという数の処理には絶望的なのです。
 したがって可能な手順数が10750もあるとされる囲碁の勝負手をコンピューターに覚え込ませ、名人との勝負でコンピューターに勝たせるなどということは、はなから難しいことがわかります。

 ですからまず、このような数のXであることを認識したあと、どこかすっきりした数を導き出す何らかのうまい方法があるのでは、と考てしまうタイプ2の応募者や、∞の∞の、またその∞・・・で正確な値など出ないとするタイプ3の応募者があっても不思議ではありません。
 しかし、このあたりで先ほどの解説と同様「へんだぞ」と気付く応募者をゲイツは待ち望んでいるわけです。式の中にこんな大きな数のXがたくさん出てくること自体、どこかへんだと。そこで落ち着いて式を見ていくと、その中に(X−X)が入っていることに気付きます。これは0ですから、問題の計算式の結果も0になるというわけです。

 漢字圏に住む皆さんの中には早い段階でわかった方もいると思いますが、実際、筆記試験とは違う面接試験の中でしかも緊張していますから、海の向こうではなかなかの苦戦だったようです。
 というのも、彼らは左から右に文字を見て行く文化社会であり、またアルファベット圏の人たちほど、Xは26文字の中のうしろから3何番目、前から24番目だと反射的にわかることから、直接そのまま左から計算式に入ってしまったり、また、まじめな人ほど代数計算に入ってしまったということなのです。

 では、この出題の背景に隠されている意図とは何でしょうか。見当はずれのことに膨大な時間とエネルギーを費やす前に、事前にしっかりと全体構図をつかむことができるかどうかを見ようとするもので、これは特にシステム開発やプログラミング作業という仕事には不可欠だということなのです。


正解 正解13 式の中には必ず(X-X)が入っており、したがって結果の値は0。

 ところで、無量大数という言葉がでてきたこの機会に、漢字の数字表現はどうなっているのか見てみますと、アラビア数字を横に並べてすべての数を表現する西洋方式に対して、漢字では、壹、貳、参・・拾、百のように一つ一つ文字が数や単位を表しています。
 そしてそのべき乗に相当する単位は、拾(1のあとに0が1個付く大きさで10の1乗)、百(2個)、千(3個)、万(4個、以下順にゼロが4個づつ増えていく、つまり10の4乗毎に単位が上がっていく)、億、兆、京(読み方はケイ)、垓(ガイ)、禾予(ジョ)、穣(ジョウ)、溝(コウ)、澗(カン)、正、(セイ)、載(サイ)、極(ゴク)、恒河沙(コウガシャ)、阿僧祇(アソウギ)、那由他(ナユタ)、不可思議(フカシギ:64個)、無量大数(ムリョウタイスウ:68個)のようになっています。

 さて、冒頭で述べたマイナス三進法の件はどうなりましたか。マイナス三進法でも数を数えられるのです。(-3)0、(-3)1、(-3)2、(-3)3、(-3)4、(-3)5、・・・は、十進法で1、-3、9、-27、81、-243・・・という数になります。また、べき乗の前に使える数としてマイナス二進法では0と1だった設問12にならって、マイナス三進法では0、1、2が使えますから、十進法の1から10までをマイナス三進法で表現すれば、順に、1、2、120、121、122、110、111、112、100、101となります。
 そのあとはどうなるかという方のために、十進法で11から21までの表現は、102、220、221、222、210、211、212、200、201、202、12020というように、どこまでも数えることができるわけです。
 これでわかるように、マイナスN進法でもすべての数を数えることができます。

 当設問13では、無量大数とかGoogol、Googolplexなどの言葉がでてきましたが、我々は数えきれないほどのとても膨大な量や数のことを、天文学的な数字などと言っています。この天文学ということに関連して、次の問題を考えてみてください。


問題 設問14 もし、地球の直径をたったの1mmという長さに縮尺した場合、我々の太陽に一番近い隣の恒星(太陽のように自分で光り輝いている星)までの距離を同じ縮尺度にすると、東京駅礎石の中心を起点としてどのあたりまでの長さに相当するか。また我が銀河系の直径の場合、どのあたりまでの長さになるか。

をやってみてください。

 余力のある方は次の設問もどうぞ。


問題 設問15 どちらもちょうど1時間で燃え尽きる2本の導火線がある。この導火線の材質にはムラがあって燃えるスピードに速い部分と遅い部分があり、一定の割合では燃え進まない。この2本の導火線と1個のライターだけを使って、正確に45分を計るにはどうするか。

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 ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。
 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。


梶谷通稔 【執筆者】  梶谷通稔 - かじたに みちとし
岐阜県高山市出身 早稲田大学理工学部応用物理学科卒

元 :   米IBM ビジネス エグゼクティブ
現在: (株)ニュービジネスコンサルタント社長
    日本IBM  GBS 顧問
    東北芸術工科大学 大学院客員教授
    (株)アープ 最高顧問
 講演・セミナー・研修・各種会合に (スライド9125枚とビデオを使用)
 コンピューター分析が明かすリクエストの多い人気演題例
 (参加者層に応じてミックス可) (各1~2時間)
  ・ビジネスの「刑事コロンボ」版。270各社成功発展のきっかけ遡及解明
テレビ出演
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  ・求められるリーダーや経営者の資質。
  ・栄枯盛衰はなぜ起こる。名家 会社 国家衰亡のきっかけ。
  ・人生1回きり。あなたが一層輝くために。
  ・どう変わる! インターネット社会


 出版:
  1988年  『企業進化論』 (日刊工業新聞社刊) ベストセラー
  1989年   『続・企業進化論』 (日刊工業新聞社刊) ベストセラー
  2009年   『成功者の地頭力・あなたはビルゲイツの試験に受かるか』 (日経BP社)

 連載:
  1989年 - 2009年   『徒然草』 (CSK/SEGAの全国株主誌)
  1996年 - 2003年   『すべてが師』 (日本IBMのホームページ)
  1995年 - 進行中   『あなたはビル・ゲイツの試験に受かるか』 (Web あーぷ社)

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