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あなたはビルゲイツの試験に受かるか?
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その76

ベースとなる考え方を常にしておく

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 パズルはパズルだけに終わらずに、日常生活の上でも役立つと思われるようなものが沢山ありますが、常日頃、注意深く考えたり観察したりしていれば、緊急のときにも役立つパズルも多くあります。
 前問はその1つのサンプルでした。

 では、今号の問題はどうでしょうか。

問題 設問76  常に一定の速さで飛べる飛行機があります。この飛行機が、常に一定の速さで吹くジェット気流の中で、空中の2点間を往復する場合と、無風のときに往復する場合を考えます。この飛行機の速度はジェット気流の2倍速さです。そのジェット気流の中では、真後ろからの追い風を受ける場合が半分、真正面からの逆風を受ける場合が半分ですが、往復するのに1時間かかりました。この飛行機が無風のときに往復する時間はどれだけになるでしょう。だだし、折り返しポイントでかかる時間は無視するものとします。

飛行機(ジェット気流)
飛行機(無風)

 この連載シリーズにおける愛読者の皆さんならば、当設問を見て、どこかで似たような設問があったことを、咄嗟に思い出された方たちもおられたことと思います。
 それもそのはず!当設問のたった4つ前の設問72が、ジェット気流と偏西風という表現の違いだけはあるものの、非常によく似ているからです。
 しかし似ていると言っても設問72では、風のある中と無風状態の中とで、その往復飛行時間はどちらが長いかといった、いわば二者択一を問う問題でしたが、今回は少々趣を異にしています。

 もちろん両設問ともそれなりの論理的な解法が求められるわけですが、しかしその中で、どちらを選ぶかという二社択一の問題ならば、えいやっ!でやっても答えだけは合う可能性だってあるわけです。
 しかしこの設問76では、実際にかかる時間という具体的な数値が問われているため、そのようなわけにはいきません。

 そこでいざ、この具体的な数値を出そうとすると、ハタと壁にぶつかってしまいます。というのも、どのような問題にしろ、その中で速さと時間が云々されていれば、当然距離が関係してくることになります。ところがこの設問の中には一切、具体的な距離の数値が出ていなくて、そんな中で時間の数値を求められているからです。
 しかしこんなときのために代数があるのだとして、皆さんの中には代数を使って解こうとされた方もおられたことと思いますから、その方法でやってみます。

図1

 2点間の距離 : Lkm
 風の速さ : Xkm/時

とすると、飛行機の速さは
 順風のとき : X+2X→3Xkm/時
 逆風のとき : 2X−X→Xkm/時

従って飛行機が風のあるときに2点間を往復するのにかかる時間は
 順風のとき : L/3X時間
 逆風のとき : L/X時間
     合計 : L/3X+L/X=4L/3X時間・・・(1)
では、無風のときはどうか。その速さは
 往きも帰りも : 2Xkm/時
 かかる時間は : L/2X+L/2X=2L/2X=L/X時間・・・(2)

そこで設問の命題から(1)が1時間かかったとなっていますから、
 4L/3X=1時間→L=3X/4時間・・・(3)
このとき(2)はどうなるかが提起されている問題ですから、このLを(2)式に代入して、
 L/X=3/4時間=45分
という解答が得られます。

 このような解き方をされた人たちの中には、な〜んだ、こんなことだったら普通の数学の問題と同じで、グーグルやマイクロソフト社の面接試験に出るような、いわゆる考えさせるといった論理思考を問う問題とは少々違うではないか!さもなくばスピードを見るための設問なのか、しかしスピードを見る問題にしては、あまりに単純すぎてどこにも考えさせるような内容の設問ではないではないか、との疑問を抱かれた皆さんも多かったのではないでしょうか。

 その通りです。どこか間違えてしまいやすい落とし穴でもあるのかと、一旦は疑問を持つものの、単なる代数の式を解いていくだけで確実に答が出てくることから、これ以外の正解はないはずだとされた方もおられたはずです。

図2

 こんなとき、面接官から「この問題は代数を使わないで解きなさい」と言われたとしたらどうでしょうか。
 そう言われて改めて考えると、ぐっと難易度の増した問題に早変わりです。中には精神的にビビッて、大きなダメージを受け、解答まで辿り着けない受験者も出てくるものと思われます。
 代数を使って解いた皆さんがおられたら、ここですぐに次へと進まないで、代数を使わない解法をしばし考えてみてください。

 どうでしょうか、方法が見つかりましたか。それでは、次に進みます。
さて、ここで代数を使わない解法にチャレンジするとしたら、その糸口はどこにあるでしょうか。
 問題をよく見てみますと、この中でわかっている具体的な絶対数値は1時間という時間しかありません。速さの2倍という数値は出ていますが、相対的な数値であって、○○kmといった絶対数値ではありません。もちろん2点間の距離など出ていません。
 そこで手がかりとしては、この時間ということで進めていく以外にはないということになります。

 では、この時間というものを考えてみますと、飛行機はジェット気流の2倍の速さだと言っているように、その中でベースとして基本となっているものは、ジェット気流の速さであることがわかります。
 設問をこのジェット気流の速さでもって、もう一度おさらいをしますと、飛行機の速さは:
  無風のとき、ジェット気流の2倍の速さ・・・(4)
  順風のとき、ジェット気流の3倍の速さ・・・(5)
  逆風のとき、ジェット気流と同じ速さ・・・(6)
になります。

 そこで基本となるジェット気流がこの2点間を通り抜ける時間を1単位と考えれば、飛行機がこの2点間を通り抜ける時間としては、
  (4)では1/2単位、(5)では1/3単位、(6)では1単位の時間がかかることになり、結局、往復では、
  無風のとき : 1/2+1/2=1単位・・・(7)
  風のあるとき : 1/3+1=4/3単位・・・(8)
の時間がかかるということです。

 ここで設問の内容に戻れば、この中に具体的な時間が出ているところがあるということです。そうです。この(8)が1時間と出ているわけです。
 つまり設問は、この4/3単位で1時間なら、無風のときである(7)の1単位は何時間か、と訊いていることと同じになるということです。
 したがって、4/3対1=1対何時間、という比例計算で、3/4時間(45分)という値を得ることができます。

 実際にこの設問は、当初、そのままを出題されたそうで、結果、代数を使って意外と易しく解けそうだと、問題に取り掛かり始めた受験者は、突然、面接官から「代数を使ってはいけないと」と言われ、途端に動転、最後までスムーズにいかなくなったという人も多かったようです。

 代数というのは、数式を使って簡単に解答を導き出せるあくまでも1つの手法であって、代数を使わなくても、ベースとなる基本的な考え方さえできていれば、どんな問題も必ず解けます。鶴亀算など思い出してみてください。
 だから、ベースとなる考え方が普段からできている人は、どんな問題にも柔軟に対応できることになり、したがってこの設問の出題背景はといえば、何が起こるかわからない状況で、何が起きても冷静に対応できる考え方のベースができているかどうか、その辺のところをしっかり見ようとしているものと考えられます。

 それでは解答です。


正解 正解76  45分。(代数を使わない方法で解けと言われたら、上記のような1つの方法を述べる)

 では、その出題背景を考えながら、次の設問を考えてみてください。


問題 設問77  ある国の独裁者が多くの反乱者をとらえました。反乱者は全員、その額に赤か青かの刺青いれずみの印をされますが、どちらの色かは反乱者自身わかりません。また反乱者どうしが話し合うことも禁じられています。独裁者は脱走した者がいないことを確かめるため、毎日、反乱者を整列させて、色の数を数えます。ある日独裁者は、もしも反乱者全員が自分の刺青の色を推測できたら自由にしてやろうと告げます。そしてヒントとして反乱者の中に、赤、青ともに少なくとも一人はいることを教えます。全員の自由を勝ち取るためには、反乱者は毎日の整列のときに、無言で独裁者に合図をしなければなりません。その方法とは、赤い刺青をつけた反乱者全員が一歩前に出ることです。それが正しければ、全員自由です。全員動かなければ、その日は何も起こりませんが、もし一人でも違ったら、全員殺されます。反乱者たちは自分たちの刺青の色をはっきりさせるために、いくら時間をかけてもかまいません。反乱者たちはみな論理的で、全員が自由になりたくてたまりません。反乱者はどうすればいいでしょうか。


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 ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。
 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。


梶谷通稔 【執筆者】  梶谷通稔 - かじたに みちとし
岐阜県高山市出身 早稲田大学理工学部応用物理学科卒

元 :   米IBM ビジネス エグゼクティブ
現在: (株)ニュービジネスコンサルタント社長
    日本IBM  GBS 顧問
    東北芸術工科大学 大学院客員教授
    (株)アープ 最高顧問
 講演・セミナー・研修・各種会合に (スライド9125枚とビデオを使用)
 コンピューター分析が明かすリクエストの多い人気演題例
 (参加者層に応じてミックス可) (各1~2時間)
  ・ビジネスの「刑事コロンボ」版。270各社成功発展のきっかけ遡及解明
テレビ出演
  ・不況や国際競争力にも強い企業になるには。
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  ・求められるリーダーや経営者の資質。
  ・栄枯盛衰はなぜ起こる。名家 会社 国家衰亡のきっかけ。
  ・人生1回きり。あなたが一層輝くために。
  ・どう変わる! インターネット社会


 出版:
  1988年  『企業進化論』 (日刊工業新聞社刊) ベストセラー
  1989年   『続・企業進化論』 (日刊工業新聞社刊) ベストセラー
  2009年   『成功者の地頭力・あなたはビルゲイツの試験に受かるか』 (日経BP社)

 連載:
  1989年 - 2009年   『徒然草』 (CSK/SEGAの全国株主誌)
  1996年 - 2003年   『すべてが師』 (日本IBMのホームページ)
  1995年 - 進行中   『あなたはビル・ゲイツの試験に受かるか』 (Web あーぷ社)

※この連載記事の著作権は、執筆者および株式会社アープに帰属しています。無断転載・コピーはおやめください。

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