その110 |
うっかり見落としがないか注意 |
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世界に出ているクレジットカードの枚数を推定する前問のフェルミ問題で、皆さんの概算値は何枚くらいと出ましたか。 2010年末時点で発表されている資料によれば約32億枚でしたが、それから5年経った2015年なら、新規加入者の自然増や、また経済成長が著しく人口が14億人もいる中国の銀聯クレジットカードは、さらに増加していると思われ、推定で出した40億枚に近い数字ではないかと思います。このフェルミ問題では、計算の基礎となる世界の人口や、またおおざっぱな世界の市場や経済状況や政治状況などを、常日頃、把握していることが大切なことを伺わせる設問でした。 さて、今号の設問はどうでしょうか。 |
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この設問はIT企業大手、グーグル社のBusiness Operations Analyst用の面接試験で出された問題です。 さて、さすがにグーグルの出題ということで苦労されたでしょうか。それともそれほどでもなかったでしょうか。 ポイントの1つは、25頭中、3馬だけ選び出すというこの問題を真正面から見るのではなく、視点を変えて裏から見るということ。もう1つは、視点を変えて見るがために、そのことに意識が偏より、うっかり見落としてしまいがちになるところを、しっかりフォローできるかどうかということです。 まず、ポイント1の視点とは、25頭のうちの22頭という大半の馬は除外されるという点です。 では解説に入ります。 さてこのような問題では、頭の中だけで考えるよりも、手順を図に描いたり、あるいは表にしたりしてやってみることを、これまで度々お伝えしてきましたが、その理由は、そうすることにより理解しやすさが増し、またうっかりした誤りも避けられるということです。 そこで全馬を走らせた5レースの結果が、A組~E組からなる表1のようになったとします。すると、まずこの5レースで、少なくとも各組のトップ3を残して、表の塗りつぶし部分に入った4位、5位の10頭は、すぐに除外できます。 このままでは、どちらの組が速いのか遅いのかわからないので、各組同士の比較が必要になるということです。 すると、表3のように塗りつぶし部分の合計9頭の馬を除外できることがわかります。 25頭の中から19頭を除外し6頭が残りましたので、次にこの6頭から3頭を除外すればいいことになりますが、ここで頭がリセットされ振り出しに戻っていると、5トラックで6頭を走らせるには、あと少なくとも2レースが必要になる・・・、だからそれには馬をどのように分けて走らせたらいいか・・・などと考えるようになったら、まんまと罠にはまることになってしまいます。 このことは、表3のように具体的に書いたものを目の前にしていれば避けることができるはずですが、頭の中だけで考えていると、どうしてもこの見逃しや見落としが起こりやすいのです。 したがって設問の答は、7レースということになります。 この設問はどこに目をつけ、どのように解いていったか、その論理過程を見るのと同時に、スピードを見ようとしているものです。 それでは設問110の解答です。 |
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では、次の問題の出題背景を考えながらやってみてください。 |
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ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult
of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most
creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 |
執筆者紹介
テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)
出版
連載
新聞、雑誌インタビュー 多数
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