その115 |
パソコン、電卓なしでもできる |
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2国間の為替の差を利用して、ビールを何回でもタダで飲めるという前問はいかがでしたか。 さて、今号の設問はどうでしょうか。 |
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これはグーグル社の面接で出された問題です。回答者は3つのグループに分かれたそうです。 |
もちろんこの中で、AとBは不合格でした。ではちゃんと計算までわかっているBと、時間はかかっても答を出したCとの違いはどこにあるのか。 Aグループは、他の確率問題ならおそらくその糸口をみつけて計算にとりかかるところを、この問題ではその計算に必要な分母や分子が何になるのか、はっきりと分からなかった人たちではなかったかと思われます。 その考え方とは、視点を変えて見たということです。つまり30分間に自動車が存在する確率が0.95ということは、視点を変えれば、それを構成する3回の10分間のすべてに自動車が存在しなかった確率が0.05と考えたということです。 したがって、10分間に自動車が存在しない確率をxとしますと、その30分間に車が存在しない確率とは、それを3回掛ければよく、xの3乗です。 もちろんこれと同じになりますが、10分間で自動車が存在する確率をyとして、直接yを計算する方法もあります。 |
さて、ここからがBとCの違いです。0.05の立方根の数値をどうやって出すか。Bグループはここから先に進めなかったわけです。 パソコンがあってExcelを使えるなら、0.05の立方根の数値を求める式として=0.05^(1/3)と入力すれば、その答0.36840315が一発で出てきますが、面接の場ですから、パソコンはもちろん電卓すらも使えないでしょう。 |
設問で求められているのは「確率はどれぐらいになりますか」と「ぐらい」という表現を使っています。 |
この表現で、出題側もきっちりとした数値が出ないことがわかっている上でのことだということがわかります。 そこでこの0.05をわかりやすくするために、少し工夫をします。1000の立方根は10なので、0.05を50/1000と置き換えれば、最終的に50の立方根を10で割った数値が少数点以下2桁になればいいわけです。 |
ここまでくれば、もう90%は解けたも同然でしょう。あとは検討をつけてその少数点以下1桁の数値を追求していけばいいのです。 |
試しに3と4の中間である3.5 の3乗、つまり3.5 x 3.5 x 3.5を筆算ですれば、42.875です。50より少ないので、今度は3.7の3乗をやってみます。これは50.653とほんの少しオーバーです。 今度は3.6の3乗を計算しますと、46.656と出ます。そこで3.6と3.7のうち、その3乗が50に近いほうの3.7を採用すればいいことになります。 |
これで、BとCの違いや、筆算でも簡単にできることがわかったと思います。 |
それでは設問115の解答です。 |
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ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult
of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most
creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 |
執筆者紹介
テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)
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新聞、雑誌インタビュー 多数
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