その13:全体構図をつかむことの重要性 |
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前回の設問は、どこまでしっかりと二進法というコンピューターの計算原理を理解しているか、それを見ようとした背景がありましたが、今回の設問ではどでしょうか。
まずその前に、前回のマイナス二進法の回答を見て「?」と疑問に思った方はいませんでしたか? 実はちょっと意図的に皆さんの思考を試してみた部分があります。わかりますか? それは文章の中で「しかしこのあと13までは数えられますが、14になるとお手上げです」と解説しているところです。 では、XX進法という設問のあとにくる「べき乗」の問題として関連する、今回の設問の回答とその設問背景に入ります。 |
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赤・白・混合ラベル箱の設問8やトムとジムの2人で21ドル持っている設問10と同様、この設問13でも応募者は3つのタイプ、簡単だとするタイプ1、簡単なはずがない、何か自分の気が付かないところで正解があるのかもしれないと考え込むタイプ2、この設問は解けないとするタイプ3、とに分かれたようです。
まず最初に出てくるXの値はアルファベットの24番目の文字です。だから、前の定数Wの24乗、WはVの23乗、VはUの22乗、TはSの・・・とやっていきますと、結局Xは24の(23の(22の(21の・・・(3の(2の1乗)乗)・・・乗)乗)乗)乗となり、のような指数が23個入れ子になっている形になります。 皆さんをはじめ、インターネット活用者の間では検索サイトのgoogle、つまりグーグルという名はたいへんよく知られていると思います。しかしこのサイトが世に出るまでは英語圏の人々にとっても聞き慣れない言葉でした。オートバイ乗りが掛けるあのメガネ、ゴーグル(goggles)、つまり「ぎょろぎょろ見る」という意味のgoggleをもじって付けたと考える人も多かったようです。 また、万、億、兆、京、垓・・・という数の単位としての漢字表現はサンスクリット語からきていますが、その最後は無量大数という表現で終わっています。その無量大数ですら10の68乗でしかありません。 ですからまず、このような数のXであることを認識したあと、どこかすっきりした数を導き出す何らかのうまい方法があるのでは、と考てしまうタイプ2の応募者や、∞の∞の、またその∞・・・で正確な値など出ないとするタイプ3の応募者があっても不思議ではありません。 漢字圏に住む皆さんの中には早い段階でわかった方もいると思いますが、実際、筆記試験とは違う面接試験の中でしかも緊張していますから、海の向こうではなかなかの苦戦だったようです。 では、この出題の背景に隠されている意図とは何でしょうか。見当はずれのことに膨大な時間とエネルギーを費やす前に、事前にしっかりと全体構図をつかむことができるかどうかを見ようとするもので、これは特にシステム開発やプログラミング作業という仕事には不可欠だということなのです。 |
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ところで、無量大数という言葉がでてきたこの機会に、漢字の数字表現はどうなっているのか見てみますと、アラビア数字を横に並べてすべての数を表現する西洋方式に対して、漢字では、壹、貳、参・・拾、百のように一つ一つ文字が数や単位を表しています。 さて、冒頭で述べたマイナス三進法の件はどうなりましたか。マイナス三進法でも数を数えられるのです。(-3)0、(-3)1、(-3)2、(-3)3、(-3)4、(-3)5、・・・は、十進法で1、-3、9、-27、81、-243・・・という数になります。また、べき乗の前に使える数としてマイナス二進法では0と1だった設問12にならって、マイナス三進法では0、1、2が使えますから、十進法の1から10までをマイナス三進法で表現すれば、順に、1、2、120、121、122、110、111、112、100、101となります。 当設問13では、無量大数とかGoogol、Googolplexなどの言葉がでてきましたが、我々は数えきれないほどのとても膨大な量や数のことを、天文学的な数字などと言っています。この天文学ということに関連して、次の問題を考えてみてください。 |
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をやってみてください。 余力のある方は次の設問もどうぞ。 |
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ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult
of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most
creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 |
執筆者紹介
テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)
出版
連載
新聞、雑誌インタビュー 多数
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