その16:具体的な取り掛かりよりは、まず大づかみ |
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前回の設問は、1つの見方だけでは解決しないということがわかれば、その見方を素早く切換え、そして残されている方法へと見極めができるかどうか、そんな資質を見ようとしていましたが、今号はどうでしょうか。 |
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初めてこの設問に出会うと、まず最初に誰もが砂時計をひっくり返す様を、頭の中で思い浮かべると思います。そしておそらく、最初に考えつくのが図1のような始め方ではないでしょうか。 そこでこの砂時計の問題も同様に、式を使って「計る」から「作る」をやってみます。まず5と7の2つの値を使って加減算をやってみます。最初に加算。5+5=10、5+7=12、7+7=14、5+5+5=15、5+5+7=17、5+7+7=19 が作れますから、5分計と7分計をこの式に従って順次ひっくり返して(以下、反転)いけば、それぞれすっきりとした形で10分、12分、14分、15分、17分、19分(図2)が計れることがわかります。ここに出てくる15分、17分、19分などは3回の反転で済みます。図1ではそれぞれ6回、7回、8回もの反転が必要で、すっきりさ加減がはっきりと出てきます。 次に5と7の減算式によって作れる正の数を考えてみます。 まず7−5=2で2が出ます。さらにこの2を使って3(=5−2)を新たに、またこの3を使って4(=7−3)を、そしてさらにこれらから1(=4−3)も作ることができます。 しかし減算の式からもわかりますが、まず2が最初に作られ、そして次に3が、さらに4は3ができてから、また1は4ができた後はじめて作られますから、これら目的の数を導き出すにも順序があることになり、たとえばいきなり5分計を2回反転したあと、5+5+1というような形で11を作るというわけにはいきません。 ではまず、7−5=2で作られる2から始めます。この式からわかることは、7が2と5に分割されていて、5(5分計)はそのままの状態を意味しています。だからこの5に2を順次繰り返し加えていくことにより7、9、11、13、15、17、19ができます。これは冒頭でコメントした図1そのものです。 同様に考えて次に作られる3は、5−2の結果で、そのままの状態にある7にこの3を繰り返し加えていき、結果、10、13、16、19が作れます。
同様に4が作られるのは、7−5=2、5−2=3、7−3=4と、3つのステップが必要で、つまり砂時計でいえば、3回の反転の後、作られるということです。分かり易くするため図示すれば、図4のようになり、10分のところでできています。ですから、この10に4を繰り返し加えていけば14、18が作れます。 そして1を作れるのは、4−3=1のようにそのあとで、4つのステップの4回反転が必要であることがわかります。図5の14分のところです。そのあとで8(=1+7)を作ることができますが、最初の作業からは14+8=22分も経っていますので、砂時計の反転スタートからは8分を計れません。その途中で初めて計ることができます。 5と7を使った「差」ということを念頭に、最初から 前回の時間の測定に関連して、この設問は私の考えた問題ですが、この種の問題は設問11と同様に式を考えることにより見落としがなくなり、しかもすっきりとした形で解けてきます。また設問の順序に惑わされて具体的な部分から入って行きますと、つい簡潔で本質的な解を見落してしまいがちになりますので、まず大づかみが大切です。 |
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さて、その背景を慎重に考えながら、次のビル・ゲイツの設問を解いてみてください。 |
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ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult
of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most
creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 |
執筆者紹介
テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)
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連載
新聞、雑誌インタビュー 多数
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