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あなたはビルゲイツの試験に受かるか?
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その35:隠れている絶対条件
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 以前の設問で、「富士山を動かすのに、どれだけ時間がかかるか」という問題を取り上げましたが、過日、このマイクロソフトの設問をタイトルにして、NHKのクローズアップ現代の放映がありました。
 そこでは、最近、次第に趣を異にしてきている日本企業の入社試験問題が紹介され、またその中で地頭という言葉も使われていましたが、それ以来、「お受験のお子様」をお持ちのお母さんたちの間にまで浸透し、今やこの言葉があちこちで飛び交っているようです。

 この今風の地頭の由来や地頭力の意味するところについては、当連載のその31やその34などの中で詳しく説明してきていますが、一見、純粋な数学の世界の問題にしか見えないような設問でも、深く考えればビジネスや人生にも大いに関係して考えられることなど、たとえば設問33の天秤の設問を1つ取っても、「その根底には経営やビジネス、あるいは人生という観点からも示唆することが多くある」ことがわかると、前回の解説でお伝えしました。

 またこれら数学の世界の問題とは違って、前回の設問34はリモコンの設計という問題でした。これは設問24のビル・ゲイツの浴室の設計とともに、その出題背景は応募者の「発想の豊かさ、奇抜さ、斬新さ」を見ようとする問題で、これらはもはや誰が見てもそのものずばり、ビジネスに直結する設問です。
 そこであげたサンプル解答、健康チェック器具と主治医や薬局あるいは病院ともネットワークでつながっているコンピュータと連動し、予防から薬の補充指令、診察の予約や緊急の警告まですべて自動的におこなう、いわゆる「健康管理はおまかせ」という総合健康管理システム、あるいは水や湿気の多いシャワー室や風呂場でも操作可能な壁埋め込み式の音声稼動パソコンシステム、さらにセンサー付きブラインドを携帯電話からでも操作できる条件付きプログラムの組み込みが可能なリモコンなど、それらのアイデアはソフト開発を含めたIT業界はもちろん、家電などのエレクトロニクス業界や通信業界、あるいは建設業界、医療業界、意匠業界・・・・と、メーカーからサービス界までをも巻き込む大きな潜在マーケット上のヒントを提供してくれます。

 「すべての偉大な事業は、はじめは不可能と言われた」というカーライルの言葉などを持ち出さなくても、これらの案はそれこそ手短なところで解決できそうなものばかりです。すでにその開発に着手されている業界もあるかもしれませんが、もしもまだそんなニーズに気付かず考えてもいないということであれば、スピードと利便性がいっそう要求される昨今のビジネス界において、さらに未知の世界に対する問題解決能力である地頭力を存分に発揮・チャレンジできる分野ではないでしょうか。

 さて、それでは今号の設問に取り掛かります。かなり手ごわいとの印象を受けるかもしれませんが、その解説に移る前に、まずは次の問題を解いてみてください。制限時間5分。


問題 問題 あなたは一艘の小船で対岸に渡らなければならない。持っている荷物はキャベツのかご1つ、羊1匹、狼1匹の3種類で、キャベツと羊だけを残すとキャベツが食べられ、羊と狼だけを残すと羊は食べられてしまう。この小船では1つの荷物しか運べない。3種類の荷物を全部無事に対岸へ渡してしまうにはどうするか。


 次の設問35を解くのに参考となる重要なカギがあるため、少なくとも5分は考えてください。 …どうですか。解けましたか。この問題は、実に今からさかのぼること1200年も前の、日本で言えば奈良時代という大昔にアルクインというイギリスの修道士(Alquin 735〜804年)が考えたものです。
 これが原型となってその後1200年の間にいろんな問題に形を変え、たとえば塔から脱出する滑車とバケツの問題になったり、あるいは人食い人種と宣教師が何人かいるところで、人食い人種の人数が宣教師の人数より多ければ、必ず宣教師は食べられてしまうという制約の下、2人乗りの船で川を渡らねばならないとする問題になったり、その制約が食う・食われるという関係のものもあれば、女性だけ残してはいけないといったもの、あるいは重さが、あるいは時間が制約となる問題など、多種多様な形となって今日に至っています。

 さて、この問題では、キャベツと羊、羊と狼のペアを一緒しておかないためにどのような方法があるかが解決への糸口を与えますが、その最も重要なカギと言えば、設問25のアルファベットと数字の書いてあるカードの問題や、設問31の果物を食べることのできる保育園児の問題のときと同じく、そこには書かれていないもの、目に見えていないもの、つまり隠れている条件を見つけることです。そこに気付き、それさえわかればあとは早いのです。
 ここで書かれていないもの、隠れているものとは何か、それはキャベツと狼のペアを残すこと、それがたった一つの安全策だということです。ということは、3つの荷物のうち1つしか船で運べないのですから、もはや最初に運ぶ選択肢は1つだけに絞られてくるわけです。つまり、キャベツと狼を残して羊しか運べないという選択肢です。

 そこで対岸に羊を降ろし、1人で引き返してきます。そして今度は何を運ぶか。キャベツにしろ狼にしろ、次に対岸へ運べば、羊とキャベツか、羊と狼かのペアができることになり、食うか食われるかの世界になってしまいます。
 ここでお手上げ。しかし常にこの書かれていないもの、隠れているものさえ念頭に持ち続けていれば、その時点でどちらかの岸に常にキャベツと狼ペアが残るような方法はないものか、と考えるはずです。

 そこで今度、たとえばキャベツを対岸に運ぶとしたら、そこに狼がいるような方法がないかを考えればいいということになります。そうなるためには、キャベツのかごを降ろしたのち、すでにそこにいる羊を持ち帰ってこちらの岸に降ろし、そこで次に狼を対岸に運べば、対岸にはキャベツと狼のペアができることがわかります。あとは1人で戻ってから、羊をもう一度対岸に運べばよいわけです。

 そして解答は2通りあることになります。図示したように羊を運んだあと、2回目にキャベツではなく狼を運んだとしても、同様にして羊を持ち帰り、3回目にキャベツを運べばよいだけです。いずれにしろ対岸には4回渡ることになりますが、この問題で制限時間さえ設けなければ、「お受験の生徒」さんにも解ける内容かもしれません。

 さて、冒頭から古いパズルを持ち出しましたが、このような問題が1200年のときを経て今日のような姿に変わった中の1つが、ビル・ゲイツの出す次の設問35です。そこでなぜこの古いパズルを持ち出したのか、その理由はのちほど説明します。

 
 では、設問35の解説に入ります。


問題 設問35 4人の人間がいて、夜、崩れそうな橋を渡らなければならない。欠けている横板も多く、橋が支えられるのは1度に2人だけで、2人を超えると、橋は崩れてしまう。また、足元を確かめるために、懐中電灯を使わなければならない。さもなくば、横板の欠けた隙間から足を踏み外し、落ちて死んでしまう。懐中電灯は1つしかない。4人の歩く速さはそれぞれ違っていて橋を渡るのに、春男は1分、夏男は2分、秋男は5分、一番遅い冬男は10分かかる。橋は17分後には崩れるが、どうすれば4人全員が橋を渡れるか。

 まずこの問題の制約はといえば、橋の上には2人まで、懐中電灯は1個でそれなくして渡れない、したがって橋を渡れるのは1人または2人一緒、残っている人がいたら必ず引き返して懐中電灯を手渡さねばならない、各自が渡るに要する時間は決まっている、渡り始めから全員が渡り終えるまでの制限時間がある、などです。

 そこで誰でも最初に思いつくことは、一番早い人を引き返す人に選ぶことで、その人が一番遅い人から順に送っていく方法です。わかりやすくするために、ここから春男=A(1分)、夏男=B(2分)、秋男=C(5分)、冬男=D(10分)と表記して説明しますと、まずAとDで渡り(10分)、Aが戻り(1分)、次にAとCで渡り(5分)、Aが戻り(1分)、最後にAとBが渡る(2分)というもので、合計10+1+5+1+2=19分となります。
 この場合、戻るのはいつもAなので、送る順番は誰でもいいことになりますが、いずれも合計時間は19分かかってしまいます。・・・のちの説明のために、これを(1)とします。

 そこで次に考えつくことは、遅い2人を一緒に渡らせるという方法です。この場合、そのうちの1人の時間は一番遅い人の時間で相殺される、つまりCとDとが一緒に渡れば、5分かかるCの時間はDの時間内に飲み込まれてしまうことから、この2人はDの10分で済みます。しかし、順番が一番最後に渡らない限り、1人は懐中電灯を持って帰ってこなければなりません。この場合、早い方のCが戻ることになりますが、戻った時点で、もはや15分。いずれまたCも渡らなければならず、とても17分内では収まりません。・・・(2)

 そこで考えられるのは、一番最後にこの遅いCとDの2人が戻る必要がなく、渡っておしまいという手です。しかしこうなるためにはどうしても、その前のステップでCが1人で懐中電灯を持って帰ってきている必要があります。これではCとDが一緒に渡る前に、Cが1往復していることになり、すでにこれだけで10分使っていることになります。うまくいきません。・・・(3)

 実は事前に、私の友人、知人の9人にこの問題をやってもらったのですが、皆さんはここまで同じステップを踏んだようです。そこで彼らの間から出てきたのが、次のような苦肉の回答でした。

(I) 先に渡る2人の足元を、残っている2人がこちらの岸から懐中電灯で照らしてあげ、先の2人が渡り切ったところで、残った2人が渡るという案。これなら17分もかからずに最短時間の12分で済みます。
 しかし面接官の反応は、「橋の長さもわからず、サーチライトとはまったく違う懐中電灯で、先に渡っている2人の足元を十分照らせるほどの照度があるか、それらが何もわかっていないというリスクがある」となるでしょう。
(II) それでは、橋の中央から照らすという案、これなら(I)よりも照度が増します。まずBとDが渡り始め、橋の中央にきたらDはそこで止まる(ここまでDの半分の時間、5分)。そしてBが渡り切るまでその足元をDが照らしてあげる(橋の中央からBが対岸に着くまでに1分)。そのあとすぐに、光を反対方向に向けその足元を照らしてあげながらAを渡らせる(Aが渡りきるまで1分)。そのあと同じ要領で、最後に渡り始めるCの足元を照らしてあげながら、Cが中央まできたとき(ここまでCの時間の半分で2.5分)、今度はDも一緒になって渡り終える(そこからDの時間の半分で5分)。合計5+1+1+2.5+5=14.5分。Dは一番遅いので、最後にCが渡り始めると同時にDも対岸に向け歩きはじめ、Cが追いついたら一緒に渡るなら、もっと時間を短縮できるが、いずれにしろ17分はかからない。
 このケースは誰を中央にするかによって時間に違いが出てきますが、どのケースでも一番早いAを1人で渡らせる方法をとればトータル時間が一番短くて済み、したがって一緒に進む人が最初と最後で入れ替わっても同じになることがわかります。つまり最初にDと一緒に渡り始めるのがBではなくCであり、最後はDがBと一緒に渡る場合でも14.5分になるということです。
 説明は省きますが、これらのことから中央に残す人をCにした場合でも、Aを1人で渡らせる方法をとる限り、トータル14.5分で渡れるケースが2つあることもわかってきます。
 しかし残念ながら、面接官の反応は(I)と同じような反応となるでしょう。

 それではということで出てきた残りの回答とは、
(III) 2人で対岸に渡ったら、残っている2人に懐中電灯を投げ返すという案。投げる時間と拾う時間の+αを考慮して12分+α。
 しかし、面接官はこう言うでしょう。「真っ暗闇の中で、どうやって返しどころの目標地点を正確につかめるか。またどこに飛んだかわかるように電灯を点けたまま投げても、電池の消費量やぶつかった衝撃で壊れてしまうリスクがある。長い橋や深い谷だったら、投げ損なえばそれでおしまい。また、拾う手間が5分以内に収まるという保証もない」と。
(IV) それならば、投げる代わりに懐中電灯に紐をつけておいて、残った2人がそれを手繰り寄せるという案。手元に手繰りよせるまでの時間をαとして、これも12分+α。
 しかし、同様の反応を面接官は示すはずです。「この4人が紐を持っている保証はどこにもなく、たとえ持っていたとしても、端から端まで届くような長い紐である保証もない。また、横板が欠けている橋の上で、どうやって途中でひっかけずに懐中電灯を手繰り寄せるのか。橋の上ではないという場合でも、大きな川の上なら水につかり、また川がせばまって橋が短くなるようなところは、必ず周りに木が生い茂っていたり、障害物があふれている」と。

 そして遂にこの9人の中には、時間とか何か設定が間違っているのではないか、と設問10で見たトムとジムの所持金のように、出題のロジックに疑問を抱く友人も出てきました。このあと、時間をかけてやっと解いた人が3人いましたが、残念ながらここまで9人は全滅でした。
 のちほど説明しますが、これらの結果は人間の陥りやすい先入観というものを浮き彫りにしてくれました。この問題にはひっかけとか、落とし穴とか一切なく、正々堂々とした設問で、しかも正解は2つもあるのです。

それでは、正解の解説に移ります。
 前述のキャベツと羊と狼の予行演習を思い出してください。そこでの重要なカギは、そこには書かれていないもの、目に見えていないもの、隠れている条件を見つけ出し、それに焦点を当てることでした。
 結果、キャベツと狼のペアを残すという、この唯一の絶対条件がキーポイントとしての出発点であり、またすべてを解決に導いてくれました。さらに今度の設問は論理思考の順序も大切なことがわかります。

 では、この設問35の場合の隠れている条件とは何か。演習問題では誰にでも簡単にわかる条件でしたが、今度はかなり手ごわいものです。しかし、ここが未知の分野を探るという地頭力の発揮しどころで、そのキーポイントになるものといえば、「CとDは対岸に行ったら戻らない」という絶対条件です。
 戻るということになれば、最終的に対岸へ落ち着くまでには、片道4回分が必要となり、Dなら40分、Cでも20分を使ってしまいますから、とうてい17分以内に収まることはなく、したがってCとDは絶対に戻ってはならないのです。

 この絶対条件、キーポイントがわかれば、次にCとDは誰と一緒に渡るかですが、そこで「CとDは一緒に渡らねばならない」につながってきます。別々に渡るとすれば、一番最初のほうで見た、Aに送り迎えをさせる方法が一番早く、それでも19分はかかってしまいます。
 したがってこの2つの条件、「CとDは一緒に渡らねばならない」と「CとDは対岸に行ったら戻らない」を満たさねばならないとすると、CとDのペアが渡る順番として一番最初と一番最後とには、一緒に渡れないことがはっきりとわかります。どちらも懐中電灯を持って戻るという行動が必要となるからです。

 ということは、このペアは途中で渡る方法しかありません。自分たちが渡るために誰かが電灯を持ってきてくれ、またペアが渡ったあと誰かが残っている人に電灯を届ける方法です。ここまでくれば、もはや答が出たも同然です。誰かとはAかBしかありませんが、1人だけで往復するのはナンセンスで、AとBのペアで渡った後のどちらかになります。
 これで、論理思考の順番も大切な役割を果たしていることがよくわかると思います。

 ではやってみます。最初にAとBのペアが渡ります(2分)、そして早いほうのAが懐中電灯を持って戻り(1分)、次にCとDのペアが渡ります(10分)。今度はすでに渡っているBが懐中電灯を持って戻り(2分)、最後に先に戻っていたAと一緒にBが渡る(2分)。これで合計2+1+10+2+2=17分となり、正解に辿り着くことができます。

 演習問題のときと同じように、これにも正解は2つあります。一番最初に渡ったAとBのペアのうち、最初に懐中電灯を持って戻るのはAでもBでもかまわないということです。結果はどちらの場合も17分で済むことがわかります。

 このような形で論理的な思考をした人だけが正解に至れるわけで、隠れている、つまり未知の分野に思考をこらす地頭力によるところが、非常に大きいことがわかります。たまたまではなく、このような論理思考で解いた方は、りっぱな今風の地頭力を持った人ということになり、ビル・ゲイツはこんな人を探しているわけです。

 しかしこの問題が解けなかったとしても、少しもがっかりする必要はありません。というのも、この設問を事前に試していただいた9人は、東大、京大他、名だたる大学卒であったり、あるいはまたIT会社やコンサルタント会社で頭脳明晰・秀才と呼ばれ、現役でバリバリ活躍している諸氏たちだったからです。
 また海の向こうでも、C言語のプログラムを書いて解いたが、答を得るまでに17分を要したとか、モトローラ社では50人が取り組んだが誰も解けなかったとか、ネット上で取りざたされていたそうです。

 これだけ多くの人が解けなかった背景は何か、それを検証してみる価値がありますので、ここで少し振り返ってその見えない原因を考えてみたいと思います。

  • 人間の思考・先入観  とにかく時間の効率を上げるという考えが先行してしまい、どうしても前述(1)のように、戻る人には一番早い人を選び、さらに一緒に行く人とすると、一番遅い人という選択肢へと行ってしまいます。早いもの同士で行くなどという考え方などは、全体を考えたときの時間がもったいなくて、とても思いもつかないという、人間の陥りやすい先入観がここに見られます。
  • あきらめ  そこで必然的に(2)に思考が行き、(3)に辿りつくのですが、CとDのペアというアイデアはここで閉塞の世界に入って途切れてしまうわけです。それ以上思考が進まなく、遂にあきらめの境地に至ります。
     しかしおわかりのように、この(3)は正解の一歩手前まできているわけです。
     ここで、連載その31で見たマイクロソフトの人材募集要項案内、「私どもの設問は、応募者が困難な状況にどのように対処するかを見るためのものです。それらを乗り越えましょう」の内容や、またその23で見た日常突発するどんな難問・難題に遭遇しても、あきらめずねばり強くそれに取り組んでいく気力・実行力・行動力のある人を求めているという要件、そして最終的に「考える力」や「問題解決の能力」を見るという背景を考えれば、ここであきらめたらダメなのです。
  • 巧妙な時間セッティング もしもCの渡る時間がDと同じ10分だとしてみてください。正解の17分にはまったく影響がありません。しかし出題がCもDも10分として出したら、おそらく大部分の人たちは、早い段階で「CとDは対岸に行ったら絶対に戻ってはならない」ことに気づくでしょう。Cの時間をDの半分の5分という微妙な値にしたところに、人間の思考を惑わす麻酔薬が入っている、というわけです。
     パズル面接がIT界で普及するきっかけとなった、あのショックレーの一番最初に出した問題、設問32のテニストーナメントの人数設定も、この類に入ります。
 さて、この出題の背景はと言えば、順序立てた論理思考ができるかどうかが、まずはそのベースにあります。そしておわかりのように、あきらめずねばり強くそれに取り組んでいく気力・実行力・行動力のあるかどうかも、重要な資質要件として見ることにあるわけです。

 では、正解です。


正解 正解35 正解は2つ。
1.まず、春男と夏男が対岸に渡る(2分)。すぐ春男が1人で懐中電灯を持って戻る(1分)。今度はその懐中電灯を秋男と冬男がを受け取って対岸に渡る(10分)。  
そこで1人残っていた夏男が懐中電灯を受け取り戻ってくる(2分)。そして先に戻っていた春男と一緒にもう一度渡る(2分)。合計2+1+10+2+2=17分。
2.同様な方法で、最初に1人戻るのが夏男とし、秋男と冬男が渡ったあとに戻るのが春男とする。合計2+2+10+1+2=17分。

 それではその背景を考えながら、次の問題をやってみてください。

問題 設問36 鏡が上下でなく左右を逆転させるのはなぜか。


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 ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。
 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

執筆者紹介


執筆者 梶谷通稔
(かじたに みちとし)

テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)

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