その51 問題の整理、単純化がキー |
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「頭がいいとは、どういうこと」と題して、前号では拙著「成功者の地頭力パズル」に登場するビルゲイツやソフトバンクの孫正義、ユニクロの柳井正、京セラ・KDDIの稲盛和夫、鉄鋼王のアンドリュー・カーネギーの諸氏、あるいはアインシュタイン、司馬遼太郎、ノーベル賞受賞者の小柴昌俊や田中耕一、さらには松下幸之助、本田宗一郎、吉川英治の諸氏を参照しました。 結果、彼らは記憶力、計算力などが抜群だったというよりも、忍耐/継続力、判断/決断力、チャレンジ/実行力、発想/創造力、先見/洞察力、思考/問題解決力、統率/人間力などに深く関係する「地頭力」が優れていたということを見ていただきましたが、その核にあるのが、独自の論理思考や発想力でもって未知の分野の問題にチャレンジし解決していこうとする頭脳にあります。 このような頭脳作りに、パズルが大いに役に立つことを見抜いたのがビル・ゲイツだったのです。その意味からも引き続き彼の出す設問を紹介してまいりますので、一方ではその出題背景をじっくりと考えながらチャレンジしていくことをお薦めいたします。 |
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崩れそうな橋を17分以内で4人が渡りきる方法の設問35や、チャーチル、ヒトラー、スターリンに道を訊く設問38などと同様に、この問題のような長々とした文章からなる設問を見ただけで気後れしてしまうという方たちも、中にはおられるかもしれません。 当設問も、幾分なりともそれらの要素を持ち合わせているようで、気後れのためどこからどのようにして解いていけばいいのか、嫌気がさしてしまう方もいるかもしれません。
そして重要なこととして隠されているもの、つまりこの設問では文章として明記されていないこと、それはこの5人の誰もが、常により多くの分け前を求めているということです。 では、単純化です。 では、海賊の人数の場合はどうか。これはいけそうです。そこで極端に人数を減らしてみた場合、考えられるのは1人ではなく2人です。なぜなら、「分け前」の「分ける」という行為が生じる状況は、最低限2人から始まるからです。 このとき、1枚の金貨すらもらえない下位の海賊は、「2人だけになったらたまらない!」という心境で、自分の参政権が生きて金貨がもらえるケースを考えるはずです。 ここで説明をしやすくするために、便宜上、海賊の上位から順にA、B、C、D、Eとします。Eは2人だけにならないように考えますから、A、Bが抹殺されていても、Cが生存していてくれれば、Cの提案に賛同することにより、Cと自分Eとで2対1の過半数以上になり、少なくとも金貨にありつけそうです。 ここまできますと、もはや具体的な突破口がつかめてきたと思います。 この場合、CとEの2人は不平タラタラの状態です。だからこの2人は4人だけのケースにはしたくないはずです。そのような状況が起こることを見逃さず想定できるのは、今度は海賊が5人いる場合のAです。 ところで海賊の強欲はわかるとしても、はたして海賊に、頭脳労働としてこのような論理思考ができるのかという現実的な問題が残りますが、そこのところは海賊に代って実際に設問を解く受験者たちの知能を出題側は期待しているということでしょう。 出題文章の長い当設問は、隠されているものも含めてその内容をしっかりとした整理をし単純化することにより、正解に至る糸口がつかめ、そのスピードにも大きな違いが出てきます。当設問の背景は、当然、しっかりした論理思考ができるかどうかを見ようとしているのですが、その過程でこのようなスピードに結びつく解法も身につけているかどうか、それも見ようということです。 それでは解答です。 |
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それでは、やはりその設問の背景を考えながら、次の問題をやってみてください。 |
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ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult
of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most
creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 |
執筆者紹介
テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)
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連載
新聞、雑誌インタビュー 多数
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