その57 注意深く問題を読み、すべてのケースを考える |
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オーブンとか電子レンジとか、食材を温める機材としてわれわれは日常何気なく使っているものでも、そこには大きな違いがあることを前号で見ましたが、このような違いをよく認識していないと、結果よい解答に結びつかないというのが、前回の設計問題でした。 さて、今号の設問はどうでしょうか。では解説に入ります。
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中が見えない箱の中に入っている玉や物の状態を判別させたり、その確率を求めさせたりする問題は、偽りのラベルが貼ってあった箱の設問8や、1回の重量測定だけで違う重さの玉が入っている箱を当てさせる設問17、さらにはまた、1ドル札が封印された箱の組合せで、どんな指定金額でも出せるようにするという設問48などがありましたが、今号の設問は直感で考えるとつい間違えてしまいがちな要素の含まれている問題です。 その間違いを犯し易いところとは、すでに見ていただいた設問46の「2人の子供を持つ親がいて、そのうち1人は女の子であるとき、もう1人の子も女の子である確率はどれだけか」という問題でわかりますように、次に生まれた子が男か女かなど、当然2分の1の確率に決っているという直感です。しかし正解はそうではありませんでした。 では解説に入ります。 これが出題者側の意図的に仕組んだ出題の仕方なのか、あるいはうっかりとした不備によりそうなったものかどうかがわかりませんので、このような場合には、あり得るすべてケースをあげて説明することです。 では、「同時に2個」の場合と、「1個1個順番に2個」の場合、その確率の違いを見ていきますが、このような問題のときは設問50で解説したように、あらかじめ対象それぞれを区別できるように記号付けをして始めると、一層わかり易くなります。
そこでまず、図1のように2個の白玉それぞれをAとB、同じく黒玉2個それぞれをCとDとします。 では「1個1個順番に2個」取り出す場合はどうか。
したがってこの場合の起こり得るケースは、図2のように
では、次に質問されている課題「今度は1個を取り出したら白玉でした。残る3個の中からもう1個白玉を取り出す確率はいくらか」の場合はどうか。
では、最後の課題「再度2個取り出したところ、そのうちの1個は白色でした。もう1個も白色である確率は」では、再び「同時に2個」なのか、「1個1個順番に」なのか明示されていませんので、これも別々に見る必要があります。 まず、「同時に2個」を取り出したとすると、その組合せは先に見た白A白B、白A黒C、白A黒D、白B黒C、白B黒D、黒C黒Dの6つの組合せで、その中で課題に合致する2個とも白玉となるのは1通りです。したがってその確率は1/6です。
以上ご覧いただいたように、2個の玉を取り出すだけでも、その確率は1/3、1/6、1/5と、変化に富んだ結果になることがわかります。 それでは解答です。 |
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では久しぶりにフェルミ推定の問題を解いてみてください。対象はアメリカが舞台ですが、そこがまたフェルミ問題としてチャレンジのしがいのある設問です。 |
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ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult
of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most
creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 |
執筆者紹介
テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)
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新聞、雑誌インタビュー 多数
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