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自分のものは見えなくて相手のものは見える状況でのパズルは、世の中に多くあると思いますが、その中でも前問は比較的簡単な部類に入る設問でしたので、どうしてこんな易しい設問が取り上げられるのか、との疑問を持った人たちも多かったと思います。 では、今号の問題はどんなポイントを見ようとしているのでしょうか。
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この設問も完全な論理思考の問題ですが、皆さんはどんな解き方をされたでしょうか。 まずタイプ1は、設問の最初の2人すなわち春男と夏男を見て、この2人はAについて相反することを言っているから、この組合せは除外。次に、春男と秋男を見て、やはりこれもBについては相反することを言っているからこの組合せも除外、といった具合に、順番に消去していけば、意外に簡単に解けていくのではないかとの思いから、具体的に2人の組合せから始めるタイプです。 そこで考えます。CかDが一着に入った場合、どうなるのだろ、と。ここまで来てハタと壁にぶつかるのです。 次のタイプ2は、具体的に始めるのは同じであっても、解答は必ずあるのだからと、たとえどんな壁にぶつかったとしてもねばり強く解いていこうとする部類の人です。 この懸念に最初から留意して取り掛かるのがタイプ3の人です。
それあまりにも普通過ぎて、ついその出だしで見過ごしてしまいがちなことなのですが、つまり命題の中で複数ではなく単数で唯一のもの、それをベースにして考えていけば、以外とスムーズに早く解けていくということがわかってきます。 その唯一のものとは? そうです、1着に入る馬は1頭しかいないということです。あとの残りの馬はみなハズレ。 これまでにもしばしば言及してきましたが、当連載では早く確実に解答に至るその解き方や方法を、丁寧に説明していくことを心掛けてきています。 まず、○を当り予想、×をはずれ予想として設問の内容を表にすると、表1のようになります。夏男と秋男は「又は」の条件で2頭の馬を予測していますので、この表の中ではそれぞれを独立にしてあります。
ここまでで、すでに正解がわかってしまいましたので、これ以上CからEまでの場合を、もはや検証する必要はありません。早く済んでしまいます。実際、それらの検証を進めても結果は同じです。 たまたまA〜E順の初めのほうにあるBが勝ち馬だったがゆえに早く終われたからいいものの、もしも後ろのEが勝ち馬のように設問が作ってあったらもっと時間がかかるではないか、とのご意見があるかもしれません。 したがって同じ正解であっても、組合せを順に見ていくタイプ2のような解き方より、早くて見落としのない確実性が保証されるタイプ3の方法による解き方のほうを、採用者側はより高く評価するはずです。 このように、当設問の出題背景として論理思考を見ようというのはもちろんのことですが、その解き方の過程およびスピードを重視した見方があることが考えられます。 では、正解です。 |
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スピード重視の設問が2問続きましたが、では、ストップウオッチを持った面接官の前で、あなたは次の問題をどれくらいの時間で解答できるかやってみてください。 |
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ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult
of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most
creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 |
執筆者紹介
テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)
出版
連載
新聞、雑誌インタビュー 多数
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