その86 |
簡単そうに思える問題は、注意が必要 |
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確率の設問は、しばしば直感がわざわいして間違いやすいため、頻繁に出題されますが、前問もそれに類する問題でした。 しかし、設問46(2人共、女の子である確率)や設問50(3枚のカードで、裏も白である確率)、設問53(宝石の入っている箱の確率)や設問85(1枚のカードを当てる確率)で見たように、普通に考えられる確率とは違った解答となってしまうのです。 なぜそのようになってしまうのか、よくよく考えればわかることなのですが、それは確率を出すときの分母が普通の場合と違ってくるからです。 それでは、今号の設問はいかがでしょうか。
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この問題は論理思考を要する設問やフェルミ推定の設問と違って、いたって簡単に答えられるような問題です。しかし、あなどると落とし穴にはまってしまいます。 まず、当連載の愛読者の中には、この連載シリーズのどこかで時計問題を解いたことを思い出された方もあると思いますが、それは設問82の「1日24時間のうちで、長針と短針が重なる回数を、2つ以上の解法で説明してください」という問題でした。 というのも、そこでの解説「この設問を見た瞬間、論理思考などは要らない直感で解けそうな問題、という印象を受けますが、しかし直感が働いて解けそうに思えるような問題は、あわてて解こうとすると間違いやすく落とし穴があるので、疑って取りかかる必要があり、よ〜く考えること」に学んでおられたはずだからです。 しかし、愛読者ではなく、初めてこの設問に接した方たちの中には、落とし穴にはまってしまったり、あらぬ方向に進んでしまった人もおられたかもしれません。 その1つ目は、片手落ちによるもの。おそらく大勢の方は長針と短針が重なっている0時を、その出発点として考えられるはずです。 2つ目は、そんなことは充分わかっている。0時直後のときには図1を思い描き、その次は図2を思い描くので、結局1時間ごとに2回の90度を作ると考えるケースです。 では次に、あらぬ方向とはどんな方向か。それはストップウォッチなどを見せられることもなく、充分時間があると思われる状況のもとで詳細な計算に入ってしまうことです。 次に2回目は長針が短針を追い越す前に作る90度ということで、そこをさらに1回目の位置からY分過ぎたところだとすると、長針は6x180/11+6Y度、短針は1/2x180/11+1/2Y度のところにいることになり、それは360度先にいる短針の位置から90度を引いたところに長針があることを意味していますので、6x180/11+6Y=1/2x180/11+1/2Y+360−90。 どうしても分と角度を計算し回数を出すということであれば、0時からスタートすると; そこで前述のように、設問82をすでに学習された方は、スマートな解法の下準備ができていることから、すんなりと正解へと進まれたことでしょう。 図1と図2を思い描いて落とし穴に陥った方たちの中には、どうしても納得がいかない人たちもおられるかもしれません。長針と短針の作る角度が90度になるのは1時間の間に2回あるのだから、24時間では48回になるはずなのに、どうして44回なのか、と。 そこで全体を通してそれがわかりやすいよう、(1)と(2)の式を使って、90度になる午前中の時間を計算して出したのが図3です(分以下の秒は省略)。 この設問の背景は、これまで見てきた設問の中の1つのジャンルとして共通する課題で、簡単で易しそうに思える問題、すぐに解けそうな問題には、特に注意深く取り組こもうという姿勢を持っているかどうか、その課題を見ようとするものです。 それでは設問86の解答です。 |
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では、その出題背景を考えながら、次の設問を考えてみてください。 |
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ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult
of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most
creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 |
執筆者紹介
テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)
出版
連載
新聞、雑誌インタビュー 多数
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