その97 |
見えないところは論理思考で! |
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日本発の素晴らしいニュースが、この1月末に飛び込んできました。 彼女がこの偉業を成し遂げた課程を少しだけ覗いて見ると、この連載問題にチャレンジされている皆さんにも、おおいに参考になることが見えてきます。 この連載シリーズでも、この発想の転換によって解ける問題が多々あるということは、度々取り上げているとおりです。 また、膵臓がんの画期的な早期発見方法を見い出し、国際科学技術賞を受賞した15歳の米高校生Jack Andraka少年の場合も、小保方さんのケースと非常によく似た経緯をとっています。 小保方さんも、愚弄までされて何回も論文を突き返され、泣き明かした夜は数知れないという彼女は「きょう1日だけ、あす1日だけ頑張ろうと思ってやっていたら、5年が過ぎていました」と言っているように、粘り強い資質と行動力の持ち主です。 特に、明日何が起こるかわからない変化の著しく激しい今日のビジネス界では、日常突発するどんな難問・難題に遭遇しても、くじけず粘り強く物事に取り組み、最後までやり遂げていく資質や行動力が求められているということです。 世界の注目を集める万能細胞という分野で、山中教授とともに2件とも日本発ということは、日本人として誇らしくまた素晴らしいことです。そして遺伝子に手を加えることなく、きわめて自然な方法で万能細胞作製に成功した彼女の研究成果が、やがて臓器の再生やガン予防、さらには若返りという分野で人類に貢献する日を期待したいものです。 さて、嬉しいニュースで前置きが長くなってしまいましたが、今号の設問はどうでしょうか。
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まずあなたは、この設問からどんなことを想像しましたか。 たしかに長男の年齢を、ある程度の範囲までに絞り込むことはできますが、設問で求められている3人の子供のそれぞれ具体的な年齢までをここからどのようにして出すのか、その解に辿り着く上ではあまり参考にならないようです。なぜなら、ここに大きな壁が立ちふさがっているからです。 その壁とは、年齢の前提条件として、Aには2つの数字がわかるように示されているにもかかわらず、あなたにはそのうちのたった1つの数字しか示されていないということです。 たとえば、設問その6のスイッチの問題などを見ていただければわかるとおり、2つの条件だけでは、3つのものを判別することは不可能でした。 では、当設問はどうなのか。 それを敢えて出題しているということはどういうことか。 このように考えて、次に進みます。 では、この例にならって、たとえば3人の年齢を掛けると12になるとしてやってみます。 a) 1、1、12 ところが、Aがわからなかったということは、これだけでは判別がつかないことが起こっているということになります。このことが、ひいてはビルの階数がわからないあなたにもわかるヒントになっているのではないか、ということです。 表1で、ビルの階数が14階建以外であれば、それぞれ3人の年齢の組合せが1つしかないので、Aは一発でそれがわかるはずですが、14階建の場合は2つのケースがあり、ここまでに示された条件では判別できなかったということです。 さて、当設問の背景は、設問49の村の女王、設問51の海賊、そして設問77の独裁者の問題と同様に、自分以外の相手の言葉や行動によって解を求める論理思考がしっかりできるかどうか、その地頭力を見ようとしているものですが、また起こりうる組合せの糸口に、いかに早く気づくかというスピード感も見ようというものです。 それでは設問97の解答です。 |
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では、その出題背景を考えながら、次の設問を考えてみてください。 |
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ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult
of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most
creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 |
執筆者紹介
テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)
出版
連載
新聞、雑誌インタビュー 多数
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